『長さ』、『広さ(直接比較のみ)』ときて、3年生では『重さ』の授業です。
『長さ』の授業と同様に、比較の方法4段階を経るのが望ましいです。また、目に見えないからおもしろく、目に見えないから難しい『重さ』の指導のポイントと展開例を説明します。
比較の方法4段階については、こちらを参考にしてください↓↓
長さを比べるためには4段階を経る!
もくじ
問題:教室の中で、一番重い消しゴムをもっているのは誰だ!?
全員が持っている(はず)消しゴムを全員で比べたいという場面を設定します。
鉛筆だと天秤に乗せたときに転がるのでやめたほうがいいです!
この場面設定のポイントは、全員で比べるということです。
教科書によっては定規と鉛筆を比べる活動が載っていますが、それでは直接比較で十分です。重さを数値化する必要性を感じさせることが大切です。(下で詳しく解説します)
めあて
一番重い消しゴムを持っている人を見つけるということは、消しゴムの重さを比べればよいことを抑えましょう。
重さのくらべ方を考えよう。や
重さはどのように比べればいいのでしょう。
というめあてになるでしょうか。
見通し
全員に消しゴムを持ってもらい、見た目では重さはわからない と気づかせます。
また、天秤は下がった方が重く、つりあったら同じ重さであることも確認しましょう。
解決活動
それでは、問題を解決していきましょう。おそらく、児童はトーナメント方式で重さを比べ始めます。自然な思考なので、まずは、トーナメント方式で一番を決めましょう!
重さの直接比較
と、その前に、重さの直接比較の前に行った方がいい活動があります。
重さの感覚比較
友達と自分の消しゴムを手に持ち、どちらが重いのか感覚で比べさせます。
これも直接比較なのですが、余程重さが違くないと比べるのは困難です。
天秤を使って直接比較
そこで、登場するのが天秤です。
天秤の左右に消しゴムを乗せて下がった方が勝ちですね!
準決勝と決勝は教卓で行わせると大盛り上がりです!
これで、教室内の一位は決まりました。では、学校内で、一番重い消しゴムを持っている誰なのか比べるときもこの方法でいいのでしょうか。もっと人数が増えたら…。
全員が集まって比べることはできませんよね。
そこで、重さを数値化すればいい!という考えにつなげましょう!
重さの間接比較
(正直なところ、この間接比較はすっとばして、任意単位の比較に行っても構いません。)
児童は、自分の持っているもので重さを数値化させます。全員で鉛筆の本数で比べようと統一しましょう。
天秤の片方に消しゴムを、もう片方に鉛筆を乗せます。すると、「ぼくの消しゴムは鉛筆○本分」と数値化できますね。
しかし、この比較で出した結果は直接比較ででた結果とは異なるはずです。そりゃそうですよね、媒体となる物(鉛筆)の重さがマチマチなのですから。
そこで、重さの媒体となるものを統一してはかろう!ということになります。
言葉が難しいので、「重さを数にするために使う1つ分になるものは同じ重さじゃなきゃ駄目なんだね。」くらいでいいと思います。
重さの任意単位による比較
媒体物は本来は何でもいいのですが、できるだけ小さく大量にあるものが望ましいです。また、1つ1グラムの方が今後の展開がやりやすいので、多くの場合、1円玉を使います。
銀行に行けば、手数料込み800円で500枚の1円玉が手に入ります!
天秤の片方に消しゴムを乗せ、片方に一枚ずつ1円玉を乗せていきます。
天秤がつりあった、もしくは天秤が動いた枚数を数えて、
「ぼくの消しゴムは一枚ずつ1円玉○枚分」
となりますね。この結果は直接比較の結果と同じになることを確認しましょう!
まとめ
重さは数にすれば、沢山の物でも、重さを比べられます。数にするときには1つ分になるものを同じにしなくてはなりません。
ということを整理しましょう!
『重さ』の第1時はここまででしょう。
第2時は、もっと大きいものをはかりたかったらどうする?もしくは、全世界の人(1円玉)がない国の人とも重さを比べるにはどうする?
という問題で、重さの普遍単位へと繋げていきます!