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1年生の算数

いくつといくつ ~数の分解~

投稿日:2020年4月5日 更新日:

たし算ひき算の前段階といえる「いくつといくつ(数の分解)」の授業のポイントについて解説していきます。

学習指導要領解説算数編にも「数の合成や分解」という言葉で出てきますが、授業の流れ的には、①分解②合成となります。

合成はたし算、分解はひき算に近いので、どうしてひき算に近い分解を先に学ぶのか疑問に思いますよね。

どうして「合成」が先じゃないの?

数を構成的に見る

小学校1年生では、数の概念を形成するために、数について多面的な見方ができるようにしなければなりません。

「数を多面的に見る」とは、「3は1と2」や「3は1と1と1」といったように3という数に対して様々な考え方をするということです。

このとき、「3という数は、どのような数なのだろうか」という問いから考えていくことになります。これは合成ではなく分解の考えですね。

思考の幅の広さ

合成は、「2と3で□」という考えていきます。一方、分解は「5は□と〇」と考えていきますね。

分解の方が、様々な考えが出てくることは明らかで、思考の幅が広がりますね。

扱う数値

ほとんどの教科書において、5を分解することを考えます。1社のみ、6を分解する展開でした。

人間の片手の指の数が5であり、もっともなじみの深い数だからでしょう。(かけ算も5の段を最初に習いますね)

児童へのハードルの高さを考えると、5の分解が望ましいと私は考えます。

導入:分解する場面

数を分解する教材として、教科書には様々な場面が掲載されています。(5の分解についての場面を紹介します)

イス取りゲーム

赤チーム白チームそれぞれ4人ずつ、5つのイスを奪い合います。イスに座ることができたのは、赤チーム何人白チーム何人かを考えます。

児童は楽しんで活動をすると思います。

しかし、活動する場が限られていること、騒がしくなりすぎてしまうことを考えると、学習から離れてしまうことが予想され、あまりおすすめはしません。

玉を箱に入れる

5この玉を下の絵のような箱にいて、右と左にどのように分かれたのかを考えます。

先ほどの椅子取りゲームと比べると、場所を取らず、準備も簡単そうです。また、玉が左と右に分かれるため、ブロックや数値に置き換えやすいというメリットもあります。

しかし、この活動には致命的な弱点があるのです。

その弱点とは、一方に玉が1つも入らない状況がありうるということです。

つまり、「5を0と5にわける」という0の存在が出てきてしまうのです。

0は特別な数であり、何もないものをあると考える0の存在は、ここでは出すべきではありません。

この活動を挙げている教科書も、「5は0と5」という点には触れていません。

ここに、教科書と実際の活動との間の隔たりを感じますね。

おはじきを取り出す

袋に赤おはじき4こ、白おはじき4こを入れて、玉を5こ取り出します。赤何こ、白何こを考えます。

おはじきではなく、玉を入れる場合も考えられますが、玉は転がってしまい、並べにくいのでやめた方がいいでしょう。

一番シンプルですが、一番無難で活動しやすいでしょう。

数値の意味

上のように、教科書会社によって様々な場面が考えられていますが、共通しているのは、一方が4こ、他方も4こということでしょう。

一方が5こになってしまうと、玉を箱に入れる活動のように、

「5と0」という結果が出てきてしまいます。

児童が何を学んでいるのか。活動の結果が児童の既習内容に即しているのかを吟味して取り上げる必要があります。

展開

数学的活動ですので、活動して終わりではいけません。活動を数学と結び付けていきましょう。

ここでは、袋からおはじきを取り出す教材について考えていきます。

活動をしながら、「袋から取り出した5このおはじきは、赤何個白何個でしたか?」と問きます。

おはじきを5こ取り出したときに、ブロック操作の指導が、しっかりと行われているクラスでは、ちゃんとおはじきを横一列に並べることと思います。

下のように、ただおはじきを取り出しただけで、終わりにしてはいけません。

ブロックを下のように、

色別に並べている子がいたら、学級全体の前で褒め、どこが素晴らしいのかを確認しましょう。

「色がまとまっていてきれい!」ではなく、「色がまとまっているので、それぞれの色の数が分かりやすい」といったように、しっかりとポイントを抑えながら授業を進めていきます。

始めの約束が大事

下の絵を見てください。

どちらも「5は1と4」と分解がきちんとできていますが、この2つを同じものと見るか、違うものと見るか児童は2つに分かれると思います。

数で考えている子にとっては同じですが、

活動で考えている子にとっては違いますよね。

ここでは、別のものとして見たほうが、児童にとって混乱が少ないでしょう。

そのため、クラス全体で、「赤を先に(左に)、白を後に(右に)並べましょう!」(どっちが左でもいいですが)

と約束をしっかりと、してから活動をさせましょう。

また、授業終了時には、おはじきから離れて、「5は1と4」といった数の構成について考えられるようにしなくてはならないので、右が赤とか左が白だとかいう議論は無用になります。

きれいな形にしない!

板書を美しくすることを心掛けすぎて、下のように、

最初から、きれいな形になるように意図的に板書をしては、児童の思考を深めることができません。(発表をした順が、たまたま上のようになったのならば仕方ありませんが…。私ならそうであってもぐちゃぐちゃにします。)

上のように、美しくないものを提示することで、児童の発想が広がります。

必ず誰かが、「こうやって並べたほうがきれいだよ」と言ってくれます。

すると、「階段みたいになっている」とか「数字を見ると左が1,2,3,4で右が4,3,2,1だ」など、数を構成的に見ることができるようになっていきます。

終盤

具体から抽象へ

小学校1年生の算数では、活動をもとに数を考えますが、最後には、活動と数を切り離して考えることが求められることがあります。

そのため、授業の終盤では、おはじきやブロックを使わずに、

「5は4と何?」といったように、5という数に着目した問題を出した方がいいでしょう。もちろん、このときに指やブロックを使っても構いません。

少しずつおはじきやブロックといった具体物から、数という抽象的なものへと思考を移していきましょう。

分解→合成

ここまでが、分解の授業の展開です。時間に余裕があれば、「5は1と4」だけでなく、

「1と4で5」、「2と3で5」と唱えさせましょう。

 

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