第1学年では、左右や上下など、1次元のものの位置の表し方について学習しています。
第4学年では、平面上にあるものの位置についてどのように表すのかを学習します。この学習では、児童が体を動かしながら、楽しんで学習することができます。
もくじ
導入:あれ取って!
授業の導入では、ロッカーを指さして「あれ取って!」と児童に指示をしてみましょう。児童は、どのロッカーを指しているのか、「どれ?どれ?」と大騒ぎを始めるでしょう。
ここで本時の課題が見えてきます。
「ロッカーの位置を相手に伝えるには、どうすればいいのでしょうか。」
児童からは、「○○君の隣」や「黒いランドセルの隣」など、様々な考えが出てくるでしょう。
「○○君のロッカーがわからない。」、「黒いランドセルが複数ある」など、それらはどれも曖昧であり、解として適さないことを抑えましょう。
すると、「右から4番(列)目で、上から2番(行)目」などと言う子が出てくると思います。すかさず、その表し方なら、確実に1つのロッカーを示すことを抑えましょう。さらに別の表し方を考えさせると、
「右から4番目で、下から3番目」、「左から6番目で、上から2番目」、「左から6番目で、上から2番目」など、様々な表し方があることに気が付くでしょう。
もしかしたら、東西南北で表す子も出てくるかもしれません。
ある程度、表し方が煮詰まったら、出てきた表し方の共通点を見つけさせましょう。
どの考えも、「右と上」のように、二つの要素が必要であることがわかるはずです。
ミニゲーム①:起立ゲーム
平面上にあるものの位置を表すには、二つの要素(児童には「情報」の方がわかりやすいかもしれません)が必要であることが分かったら、起立ゲームをしましょう。
担任が、「右1、前2」と言ったら、該当する机にいる児童が立ちます。リズムにのせて、ちゃんと立てなかったら負けです。赤白チームや男女チームに分かれると盛り上がります。
大事なポイントは基準
さらに、この学習では、基準をもとにものの位置を表す方法も身につけさせなければなりません。例えば、左下に基準を設けると、
☆の位置は、「横に5、上に3」となります。表記としては、括弧を使って、(横5,上3)とします。真ん中の点は「、(点)」ではなく「,(カンマ)」であることも抑えましょう。
ここで難しいのが、基準がないときは、星は「右から6番(列)目」ですが、基準があるときは「(基準から考えて)横に5」となる点です。一番左の列は、基準がないときは1列目ですが、基準があるときは「横に0」と考えるからです。
ミニゲーム②:爆弾ゲーム
2人組を作り、下のようなマスのかいてある紙を配布します。
どこでもいいので、線と線が交わるところ1つに●を書きます。相手に見られないように書きましょう。
相手の爆弾の位置を先に見つけた方の勝ちです。
例えば、相手から(横3,たて2)と言われたとしましょう。
どちらも外れなので「セーフ」と伝えましょう。次に、自分が相手の爆弾がありそうな場所を言いましょう。
次に、相手から(横4,たて4)と言われたとしましょう。
どちらか一方が当たっていたら、「ヒット」と伝えましょう。
両方とも当たっていたら、「ビンゴ」と言って負けを宣言しましょう。
この学習で難しいポイントは、「横4」というと縦の線を、
「たて4」というと横の線を
表すということです。
中学数学との関連
この学習は、中学数学の「関数のグラフ」に繋がります。
上のグラフでしたら、点Bは(x,y)=(0,5)と表されますね。
この学習まで視野に入れるのであれば、(横5,上3)を、
(横,上)=(5,3) と表すことも教えてもいいのかもしれません。
ローマ字の仕組み
平面上のものの位置を表す方法はローマ字にも使われています。
正確には二次元表なのですが、考え方としては同じですね。3年生でアルファベットを学習するのは、ハードルがかなり高いということがわかりますね。