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4年生の算数

包含除と等分除の使い分け

投稿日:2018年10月3日 更新日:

包含除と等分除の違いは、必ずしも児童が理解をする必要はないかもしれません。(できた方がいいですが)

しかし、算数を教える側(教師や親)は、使い分けることができないと思いがけない大混乱に繋がってしまいます。

包含除と等分除の違いが曖昧な方は別のページで詳しく解説しています。

包含除と等分除

わり算の性質の授業

4年生のわり算の学習では、わり算の性質を学びます。

わり算の性質:わる数とわられる数に同じ数をかけても、わる数とわられる数を同じ数でわっても商はかわらない

この授業では、絶対に包含除の問題にしなくてはなりません。「6÷2」、「60÷20」、「600÷200」について考えていきます。

包含除では…

まずは包含除で考えて見ましょう。

「お金が6円(60円、600円)あります。1人に2円(20円、200円)ずつわけると何人に分けられますか。」といった問題です。

左から除数分を囲んでいきます。

上から、2円ずつ、20円ずつ、200円ずつ囲んでいきます。ここで、硬貨の枚数に注目してみましょう。どれも

6枚÷2枚

という式で表されることがわかります。よって、商が等しくなります。同様に「30÷10」について考えてみましょう。同じようにお金で考えて、

と考えると「6÷2」になります。このようにして、わり算の性質に迫っていきます。このとき、「~をもとにすると…」といった単位の考えを定着させたいです。

等分除では…

次に等分除で考えていきます。

「お金が6円(60円)あります。2人(20人)で同じ数ずつ分けると1人分はいくらになりますか。」といった問題です。

「6÷2」を包含除の時と同じように、1円玉で考えると、

となります。「60÷20」は、10円玉で考えるので

これを20に分けなくてはなりません。できませんね。つまり、等分除では「10のまとまり」で考えることができないのです。

もし強引に全て1円玉で考えたらどうでしょうか。

答えを導くことはできます。しかし、「6÷2」との関連性は見えてきませんね。

わり算の筆算

わり算の筆算の授業でも、等分除と包含除を使い分ける必要があります。

72÷3 について考えます。

等分除では…

「72円を3人で同じ数ずつ分けると1人分はいくらですか。」

図を用いて考えてみましょう。まず、10円ずつ配っていきます。

次に余った12円を分けたいのですが、10円玉を1円玉10枚に両替して考えます。

うまく答えが出せましたね。

包含除では…

「72円を1人に3円ずつ分けると何人に分けられますか。」

等分除の時のように、図で考えてみましょう。すると、

いきなり、「3円ずつわける」ことができません。70円を1円玉70枚として考えると、1円玉72枚を3円ずつわけるので、3円ずつ囲っていけばいいのですが、わり算の考えには結びついていきません。

このように、教える側は、教える内容が、等分除と包含除のどちらが適していのか考え、適切な方を選択しないと、児童の理解を妨げてしまうことになります。教科書は以上のことがきちんと考えて作られてあります 。適用問題や自作のプリントを宿題で出す際に、自分で問題を作る際には注意しましょう。

等分除と包含除の違いがあいまいな方はこちら↓↓ 等分除と包含除の簡単な見分け方

 

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