算数を究める

算数の基礎と雑学をわかりやすく解説します。よりよい算数授業と算数好き児童を増やすサイト

5年生の算数

三角形の内角の和を帰納的&演繹的に求める方法

投稿日:2019年7月3日 更新日:

三角形の内角の和が180°であることを導くには多くの場合、帰納的に考えます。ここではその帰納的な考え方とともに、三角形の内角の和を演繹的に考える方法も解説します。

帰納的①:角度をはかる

三角形の3つの角度を分度器ではかり、足します。もちろん和は、180°になりますね。

次に違う形の三角形の3つの角度を分度器ではかります。

また180°になりますね。このようにいくつかの三角形の3つの角を実測し、180°になりそうだ。と考えます。

帰納的②:3つの角を一箇所に集める

紙で作られた三角形を実際に操作します。三角形を折り(切ってもOK)3つの角を一箇所に集めると180°になります。これをいくつかの三角形で行い、三角形の3つの角を一箇所に集めると直線になる。だから3つの角の大きさの和は180°になりそうだ。となります。

上にあげた2つのやり方は帰納的な考え方です。一般的な授業ではここまでしか扱わず、「三角形の3つの角の大きさの和は180°です」と習います。

しかし、授業で扱った三角形はたまたま180°になっただけであり、実際は「180°になりそうだ」という予測でしかないことを理解しなければなりません。上記の帰納的な考え方では、この世に存在する全ての三角形の内角の和を調べないといけません。実質不可能ですが…。

もし授業時間(時数)に余裕があるのなら、以下に説明する演繹的な考え方でも三角形の内角の和を導いた方がいいです。

演繹的①:直角三角形を考える

一般三角形を考える前に、長方形をもとに直角三角形の内角の和について考えます。

長方形は、一つの角が90°であることから、90°×4で内角の和は 360°です。

次に、長方形の対角線を引くと直角三角形が2つできます。この直角三角形の内角の和は長方形の内角の和の半分なので180°です。

次に一般三角形について考えます。一般三角形の頂点から底辺へ垂線を引くと、2つの直角三角形ができます。垂線と底辺の交わった点は余計な角なので、引きます。

演繹的②:錯角を用いる

頂角を通る、底辺に平行な直線をかいてみましょう。

平行な2本の直線について錯角を考えます。帰納的考え②の角を一箇所に集める考えと少し似ています。三角形を敷き詰めることができるのも、この考えがもとになっています。

演繹的な考え方に出てくる「垂線」や「錯角」といった言葉は中学で扱います。

-5年生の算数

執筆者:


  1. […] 算数を究める2019.07.03三角形の内角の和を帰納的&演繹的に求める方法https:… […]

関連記事

正方形はいくつある??

正方形は何かを学ぶ2年生から高校生まで、幅広く行える授業です。子供の実態に応じて、または何を身につけさせたいのかに応じて、解法例を取り上げ、思考を深めてみてください。 問題 下の図の中に正方形はいくつ …

no image

四角形の内角の和 教科書の過ち

四角形の内角の和の学習では、児童が初めて 演繹的な考え方 に出会います。しかし、一般的な(教科書に載っている)展開は、児童の自然な思考の流れに反しています。 一般的な四角形の内角の和の授業は、 ①三角 …

長方形はいくつある??

長方形とは何かを学ぶ小学校2年生から、組み合わせの学習(コンビネーション)をする高校生まで授業で扱うことができます。 問題 下の図の中に長方形はいくつありますか? 解法①コツコツ数える 場合分けを行い …

no image

四角形の内角の和 授業のポイント

四角形の内角の和の学習は、研究授業でも扱われることの多い授業です。しかし、教科書通りのやり方には大きな落とし穴があります。詳しくは下のページを参考にしてください。 算数を究める四角形の内角の和 教科書 …

混み具合「単位量あたり」を指導する際のポイント

5年生の学習の中で、最も難しい単元と言っても過言ではないのが「単位量あたり」です。ここでは、「単位量あたり」の授業をする上で大切となるポイントを説明します。 問題 下の3つの部屋の中で、一番混んでいる …