三角形の内角の和が180°であることを導くには多くの場合、帰納的に考えます。ここではその帰納的な考え方とともに、三角形の内角の和を演繹的に考える方法も解説します。
もくじ
帰納的①:角度をはかる
三角形の3つの角度を分度器ではかり、足します。もちろん和は、180°になりますね。
次に違う形の三角形の3つの角度を分度器ではかります。
また180°になりますね。このようにいくつかの三角形の3つの角を実測し、180°になりそうだ。と考えます。
帰納的②:3つの角を一箇所に集める
紙で作られた三角形を実際に操作します。三角形を折り(切ってもOK)3つの角を一箇所に集めると180°になります。これをいくつかの三角形で行い、三角形の3つの角を一箇所に集めると直線になる。だから3つの角の大きさの和は180°になりそうだ。となります。
上にあげた2つのやり方は帰納的な考え方です。一般的な授業ではここまでしか扱わず、「三角形の3つの角の大きさの和は180°です」と習います。
しかし、授業で扱った三角形はたまたま180°になっただけであり、実際は「180°になりそうだ」という予測でしかないことを理解しなければなりません。上記の帰納的な考え方では、この世に存在する全ての三角形の内角の和を調べないといけません。実質不可能ですが…。
もし授業時間(時数)に余裕があるのなら、以下に説明する演繹的な考え方でも三角形の内角の和を導いた方がいいです。
演繹的①:直角三角形を考える
一般三角形を考える前に、長方形をもとに直角三角形の内角の和について考えます。
長方形は、一つの角が90°であることから、90°×4で内角の和は 360°です。
次に、長方形の対角線を引くと直角三角形が2つできます。この直角三角形の内角の和は長方形の内角の和の半分なので180°です。
次に一般三角形について考えます。一般三角形の頂点から底辺へ垂線を引くと、2つの直角三角形ができます。垂線と底辺の交わった点は余計な角なので、引きます。
演繹的②:錯角を用いる
頂角を通る、底辺に平行な直線をかいてみましょう。
平行な2本の直線について錯角を考えます。帰納的考え②の角を一箇所に集める考えと少し似ています。三角形を敷き詰めることができるのも、この考えがもとになっています。
演繹的な考え方に出てくる「垂線」や「錯角」といった言葉は中学で扱います。
[…] 算数を究める2019.07.03三角形の内角の和を帰納的&演繹的に求める方法https:… […]