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6年生の算数

分数のわり算 ~7種類の解法~

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「分数のわり算は、わる数の分母と分子を逆にして(逆数を)かければよい」という考えだけが取り上げられますが、他のやり方でも、答えを導くことができます。

このページでは、

という問題から、

を解くことを考えていくことを通して、

・分数のわり算は、どうしてわる数の逆数をかけるのか

・わる数の逆数をかける以外の解法

について説明をしていきます。

単元の前に…

分数のわり算を解くためには、

「わり算は、わられる数とわる数に同じ数をかけても答えはかわらない」

という考えが大前提となります。

10個のおまんじゅうを10人で分けるのと、100個のおまんじゅうを100人で分けるのは、1人分のおまんじゅうの個数は変わらないですよね。

この考えを必ず復習してから、単元に入りましょう。

 

解法① もっともシンプル

数量の関係を二重数直線で表すと、下のようになります。

ペンキ1dLで何㎡ 塗れるのかを考えますので、

このような二重数直線になりますね。

3/4dLを4/3倍(逆数をかける)すれば、1dLになります。

ペンキの量が、4/3倍になったので、塗れる面積も4/3倍になります。

つまり、

を計算すればいいわけですね。これは既習ですから計算ができます。

この解法が最もシンプルです。しかし、算数が苦手な児童にはわかりにくいでしょうし、この解法だけに縛られていては、自由な発想は養われません。他の解法についても説明します。

解法② 小数にする

児童は、整数のわり算、小数のわり算は既習です。そこで、分数を小数に直して考えてみましょう。

つまり、式に表すと、

となり、計算ができるようになりました。

ここで、わられる数とわる数に100をかけると、

整数のわり算になります。40÷75が割れきれるのなら話は早いのですが、割り切れないので、分数にして、約分をしましょう。

これで答えが求められました。分数を小数に直す際に、循環小数になってしまう場合は、このやり方は通用しません

循環小数については、こちらを参照してください。

解法③ 二重数直線でコツコツと

数量の関係を二重数直線で表すと下のようになることは、やりましたね。

3/4dLのペンキを4倍すると、3dLになります。

塗れる面積も4倍になるので、3dLでは、8/5㎡ 濡れることがわかります。

次に、塗る面積を5倍すると、8㎡

8㎡を塗るためには、ペンキの量も5倍して、15dLのペンキが必要です。

最後に、15dLのペンキで8㎡ 塗れるので、1dL塗るためには、15でわります。

これで、答えは、8/15 になりますね。式に表すと、

このようになります。わられる数とわる数に20をかけることで、整数÷整数にしているのです。この考えは、次の解法③とほぼ一緒の考えです。

解法④ 通分してみる

分数のたし算ひき算では、通分をしてから計算をしました。分数のわり算も通分をしてから、計算してみましょう。

分母と分子をそれぞれ計算します。

通分をすることにより、分母÷分母が1になり、整数÷整数の形にもっていくことができます。

解法⑤ 分数分の分数にする

分数の分母と分子は、分数でも構いません。

わり算は、分数になります。わられる数は分子に、わる数は分母になりますね。

分母を1にしたいので、分母と分子に同じ数をかけます。

結局、わられる数にわる数の逆数をかける形になりました。

解法⑥ わる数を1にする

やっていることは解法④と全く同じです。わり算はわる数が1であれば、答えはわられる数のままですね。

わられる数を1にすることだけを考えてみましょう。

これは、必ず教科書に載っているやり方で、多くの場合この解法で授業進める方が多いようです。私個人としては、わかりにくいです。

解法⑦ 図を使って

dLと㎡ の関係を下のように表してみましょう。

次に、1/4dLでは、どのくらい塗れるのかを考えます。3/4を3でわればいいのですから、

図の黄色い部分が1/4dLで塗れる面積になります。では、この黄色い面積は、どのくらいでしょうか。

はじめ、1㎡ が横に5等分されていましたね。それを縦に3等分したので、

上の図の赤い面積は、1㎡ を15等分した1つ分で、1/15㎡です。つまり、

1/4dLで1/15㎡が2つ分、2/15㎡ 塗れるということです。

1/4dLを4倍すると、1dLになりますので、塗れる面積も4倍して、

上の図の黄色い面積、つまり、2/15㎡の4倍(もしくは1/15㎡の8つ分)の8/15㎡ が答えになります。

 

 

「分数のわり算は逆数をかければいい」と手段を教え、ひたすら問題を解かせる授業もあるかもしれませんが、これだけ多様な考えも出すことができるのです。

もちろん、他の解法もあるでしょうし、この7この解法を全て授業で扱う必要はありません。

「どのやり方なら、解きやすいだろう。」「算数が得意なクラスだから、他のやり方も考えさせたいな。」

というときの参考にしてください。

 

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