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6年生の算数 単発授業

多くの教師が失敗する角柱の体積の求め方

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角柱の体積の求め方を考える授業では、絶対に授業者が忘れてはならない大前提の考えがあります。それは、

角柱の体積は、底面積×高さ で求められるかどうかは、まだわからない

ということです。

角柱の体積の求め方を考える授業なのだから、「底面積×高さで求められるかどうかわからない」ということは当たり前なのですが。多くの授業で、この大前提が抜けてしまっているのです。

それでは、下の三角柱の体積を求めながら考えを見ていきましょう。

 

解法1:底面積×高さ(本時では✖)

塾などですでに三角柱の体積について習っている子や、「直方体と同じようにできるだろう」と考える子は、底面積×高さで求めてしまいます。

もし、底面積×高さ で体積を求めている子がいたら、

「三角柱の体積は、底面積×高さで求められるの?どうして?」と切り返す必要があります。

間違えても、「そうだね!できたね!」などとは言ってはいけません。

解法2:1段目の体積から積んでいく(本時では✖)

直方体の体積の学習をしっかりと受けた児童(もしくは教師がしっかりとポイントを抑えた)ならば、この考えが真っ先に思い浮かぶはずです。

三角柱の高さを1c㎥ごとに区切り、1段目の体積をまずは考えます。

直方体の体積はこのように求めたのですが、そもそも三角柱は1段目(1c㎥)であっても、体積を求めることはできません。

体積は、1㎤の立方体がいくつあるかであり、三角柱の場合には、全てを立方体で埋めることができないからです。

ですから、実はこの解法も(本時では)✖なのです。

解法3:直方体の半分

三角柱を直方体の半分と見ます。

三角柱が2個分で直方体になるので、直方体の体積の半分が三角柱の体積になります。

式にすると、縦4×横3×高さ5÷2

です。この÷2は、直方体の半分を表していることに注意しましょう。

三角柱の体積の求め方へ

縦×横×高さ÷2を、縦×横÷2×高さと 変形し、

底面の底辺×底面の高さ÷2×三角柱の高さ と考えることで、

底面積×高さ と同じ値になるということを抑えます。

飽くまでも同じなのは体積の値であり、考え方ではありません。

 

これで、三角柱の体積は、底面積×高さ で求められる!

としてはいけません。今、扱ったのは、底面が直角三角形であるからです。

つまり、下のような三角柱

については、まだ、底面積×高さ で求められるかどうかはわからないということです。

しかし、この三角柱の体積は、難しくはありません。三角形の面積を求めたときと同様に考えて、2つの底面が直角三角形である三角柱が2個あると考えればいいのです。

ここまできて、ようやく、三角柱の体積は、底面積×高さで求められる!と言えるのです。

角柱の体積の求め方へ

直方体の体積は、底面積×高さ で求められる。

三角柱の体積も、底面積×高さ で求められる。

だから、角柱の体積は、底面積×高さ で求められる!!!

 

 

としてしまう授業が多く存在します。

確かに、角柱の体積は、底面積×高さ で求められるのですが、児童は「底面積×高さで求められる理由」を答えられますか?

例えば、下のような底面が台形である。四角柱だったら…?

台形の面積は求められるから、それに高さをかけて…

本当にそれでいいのでしょうか。この四角柱の体積は、本当に、底面積×高さで求められるのでしょうか。

そこを児童が答えられなければ、この授業は失敗です。

体積から離れて、台形の面積をどのように考えたのか振り返ってみましょう。

台形を2つの三角形と見て、面積を求めたはずです。

この考えを使えは、底面がどんな四角柱でも、2つの三角柱に分けることができることから、底面積×高さ で体積が求められることがわかるのです。

では、底面が五角形だったら?

同じように、三角柱に分ければいいことがわかりますね。

ラストにもう1つ、円柱だったらどうでしょうか。

円も面積と同様に、多くの三角形が合わさってできたと考えればいいのです。

 

ここまで、考えを広げて、ようやく、角柱の体積は、底面積×高さで求められる!という本時の学習内容が完成するのです。

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