小学校算数では1年生から6年生までの間に8種類のグラフについて学習します。特徴を簡単に説明すれば、
数量の大小を比較するのは絵グラフと棒グラフ
数量の変化をとらえるのは折れ線グラフ
資料の部分と部分(もしくは全体)を様子をとらえるのは帯グラフと円グラフ
となります。それぞれのグラフの特徴について、より詳しく説明します。
もくじ
絵グラフ(1,2年生)
下の絵の中で、一番多いのはどれですか?一番少ないのはどれですか?
整理した方が比べやすいですね。
これで、どれが多いのか少ないのかが一目でわかるようになりました。
絵グラフは、絵で数量の大きさを示すので、その場面をイメージしやすいという特徴があります。
整理するときには、数量と数量の間隔や数量自体の大きさを統一する必要があります。下のフラフは悪い例です。これでは数が比べられませんね。
1年生の児童にとって、このグラフをかくことは難しいため、多くの教科書では、色を塗る作業になります。しかし、「数量と数量の間隔や数量自体の大きさを統一する」というポイントは、グラフにとってとても大切なことなので触れるべきでしょう。
絵グラフのデメリットは、描くのが面倒くさいということでしょう。そこで、絵の代わりに〇やタイルで表します。
タイルを使った絵グラフでは、よりまとまりで見ることができます。中にある線は不要であることにも気が付きますね。そして、棒グラフへと発展していきます。
棒グラフ(3年生)
絵グラフをより簡潔に(抽象的に)表したものが棒グラフです。
棒グラフは、数量の比較が簡単にできるという特徴があります。また、互いに何倍になっているのかも視覚的に理解することができます。
長さが数量を表していることが、絵グラフよりも明確になりました。
また、絵グラフや棒グラフの項目は分離量であることが多いです。
折れ線グラフ(4年生)
折れ線グラフは、時間の経過によって数量がどのような変化をしたのかが表されます。そのため、折れ線グラフの横軸は時間を表します。縦軸は連続量を表すことが多くあります。
数量の大きさを点で表し、それを直線で結んで変化の様子を表します。
上の「気温の変わり方」を棒グラフにすると、下のようになります。
棒グラフでも表すことは可能ですが、かくのが大変ですね。
棒グラフ(や絵グラフ)は積み木のように段々とタワーができているイメージですが、折れ線グラフはそのタワーの頂上だけに注目していますね。
折れ線グラフは、下のように、2つの事象を1つのグラフにかくことで、両社の違いや特徴が見やすくなります。
また、下のような折れ線グラフと棒グラフを組み合わせたグラフもあります。
気温という連続量は折れ線グラフで、人数という分離量は棒グラフで、という使い分けをしながら、組み合わせるといいでしょう。
連続量を棒グラフで表すことはありますが、分離量を折れ線グラフで表すことはあまりありません。
帯グラフ(5年生)
帯グラフは、割合がどうなっているのかを表します。
帯グラフは長方形であるため、円グラフよりもかきやすく、スペースをとりません。
また、下のように、
時間の経過による変化の様子が把握しやすいため、プレゼンテーションで用いられることが多くあります。
円グラフ(5年生)
円グラフは、帯グラフと同様に、割合がどうなっているのかを表すグラフです。多くの場合、算数の授業では、帯グラフと円グラフは同じ時間に学習をするようです。
円グラフの特徴は、全体と部分の割合の関係が視覚的に(直感的に)とらえることができるということです。
下の円グラフでしたら、
カレーライスを好きな子が3分の1ほどいることが直感的にわかりますね。
一瞬で情報を得ることができるため、企業の広告やパンフレットに使われることが多くあります。
ドットプロット(6年生)
ドットプロットは、横軸が数直線になった絵グラフだと考えましょう。ただし、絵ではなく、●で表します。
絵グラフの横軸(項目)は多くの場合、分離量で、ドットプロットの横軸は多くの場合、連続量です。(人数の場合もよくあります。)
ドットプロットには、最頻値や中央値を見つけやすいという特徴があります。
最頻値とは、一番多く出てくる(最も頻出する)値のことです。下のグラフでは、5時間が一番多い(高い)ので、最頻値は5です。
中央値とは、出てきた全ての値を小さい方から大きい方へ順に並べて、その真ん中(中央)の値のことです。
また、2つのドットプロットを並べることで変化の様子や違いが把握しやすくなるという特徴もあります。
上の2つのドットプロットを見比べると、5年生より6年生の方が読書量が長いことが視覚的にわかりますね。
柱状グラフ(6年生)
柱状グラフはヒストグラムとも言われます。
柱状グラフが表すものは度数分布です。散らばりの様子や集団の傾向が視覚的に把握できます。そのため、学力テストの結果を表す際にも用いられます。
柱状グラフでは、各階級のどの区画においても、区画内は平均的に分布しているとみなされます。(上のグラフで言えば、22mが2人、24mが1人であっても、20~25mが3人と見ますね。)
棒グラフにも似ていますが、区画であるため棒同士がくっついていたり、横軸の数字の位置が罫線の下にあったりと、しっかり違いを指導しましょう。
正比例グラフ(6年生)
小学校最後のグラフは正比例グラフです。
点同士を直線で結ぶために、計測をしていない値を出すことができるという特徴があります。
縦軸、横軸ともに連続量を扱うことが多くあります。
小学校段階では、コップに水を入れたときの時間と重さなど、一次関数のグラフも比例グラフと同様に扱います。
いかがだったでしょうか。次のページでは、同一の事象について様々なグラフで表すことでグラフの特徴や使い分けについて考えていきます。
(準備中)