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小学校教員が定時で帰るための授業準備の仕方&心掛け

投稿日:2020年7月6日 更新日:

教員の激務が問題になっていますが、働き方は一向に変わる気配はありません

行政が働き方を変えないのであれば、自分が働き方を変えるしかありません。

私が行っている定時で帰るための仕事術と教員としての心掛けについて紹介します。

授業準備には、終わりがありません。いくらでも準備ができるのです。残業しようと思えば、いくらでも残業ができるのです。国の財源は限られていますから、「教員特別手当」という形をとり、残業代を定額にしているわけですね。

本給の4%ということは、1日20分程度の残業ということです。

つまり、法律(国)として、勤務時間終了後20分以内でできる準備で、授業をやってね。」という文科省からのお達しなのです。

それで学力が落ちたのであれば、その時間を確保しない文科省及び教育委員会の責任であるはずです。

そんなことを言っても子どもがかわいそうだ。」という人がいることでしょう。

しかし、今の日本の教育は、

子どもがかわいそうだから、長時間残業して、土日も仕事をして、なんとか授業をやろう!

という教員の犠牲の上に成り立っているのです。文科省は、その熱意に胡坐をかき、改革をしないのです!

文科省は、教員のことを守ってはくれません。少なくとも、「授業準備をする時間がないから、日本の学力が落ちた!」という状況にならない限り、文科省は動きません!

もちろん、いくらでも授業準備をやりたい方はどうぞご自由にしてください。しかし、他者にそれを求めることは、しないでいただきたい。

と言っても、全く準備をしないで授業を行うことに、抵抗を感じる人も少なくないでしょう。

どうすれば、授業準備を速やかに終わらせることができるのかを紹介しましょう。

授業案は、ゴールがスタート

一単元まるごと、展開を考える

どの単元でも、「単元後にどのような子どもになっていればいいのか」というゴール(目標)があります。

その最後の目標に向かうために、1時間1時間の細かな目標を積み重ねていくわけです。

経験の浅い教員に多いのが、1時間1時間の目標だけを見て、授業案を立てることです。

単元全体を見られる教員は、「この授業は適当でもなんとかなる。」「ここはしっかり抑えないとだな。」と見極めて授業の準備をしています。だから、仕事が早いのです。

単元全体の目標を「カレーの完成」としましょう。一生懸命に、野菜を切ることも大切かもしれませんが、「最後に食べられればいいや。」くらいの気持ちで切っても大丈夫ですよね。

そもそも、1時間の授業しか見ていない教員は、一生懸命に野菜を切るものの、何のために切っているのかが、わかっていません。

単元全体を見通すことで、授業準備の負担も減り、内容のある授業ができるようになります。

時間の心配が、過剰な準備に…

1時間1時間の目標だけを見ている教員は、その日の内容しか、頭に入っていません。その結果、

45分の時間が、余ってしまったらどうしよう」と心配になってしまうのです。すると、時間が余らないように策を練り、結局、授業準備の負担が大きくなります。

単元全体を見ている教員なら、「明日の予習だよ。」と少し発展問題を出すこともできますし、次の授業を少しやっておくこともできます。(そもそも私は45分間という括りに疑問を持っています。詳しくは下で…。)

授業は児童が作るもの!授業準備は、最低限に!

1時間1時間の授業をしっかり行うことは大切です。しかし、そこまで準備を行う必要が、本当にあるのでしょうか。

授業準備を濃密に行うことで、教師主導になり、児童はレールの上を走っているだけになっていませんか?

ゴールしなくても、いいじゃない!

先ほど、単元にはゴール(目標)があるということを話しましたが、1時間の授業で、必ずゴールにいかなくてもいいんです。脱線してもいいんです!

教科書や指導計画には、もちろんゴールは定められています。しかし、授業は児童が作っていくものですから、脱線してとんでもない方向へ進んでいくこともあります

たまには、あえてとんでもない方向へ進んだっていいじゃないですか!児童の学びが、別のゴールに繋がるかもしれません。

もちろん、毎時間そうでは困りますし、どうして脱線したのかを授業者として検証すべきです。

しかし、脱線しないように、と無理矢理児童の意見を引き出したり黙殺したり、勉強のできる児童だけに発言させたりするのは大反対です。

この脱線も、単元全体を見ている教員にしかできない技です。

児童のやる気を削ぐ掲示物

研究授業では、時間短縮のために、事前に書いておいた物を黒板に貼る教員がいます。中には、児童が話し合いをした結果を、事前に書いておき、貼る教師がいます。

児童が一生懸命出した考えです。その子は鼻高々でしょう。しかし、自分が四苦八苦して出した考えを、教員が事前に紙に書いていた…。

結局、おれは教員の手の平で踊らされていただけか…。

という授業は、とてつもなく多くあります。間違いなく準備のし過ぎです。

研究授業後に、「たくさん準備をしたのに、いつもの授業の方がマシだった。」という経験をしたことは、教員なら誰しもあると思います。

教師主導の準備過多は児童にとっても、授業者にとってもマイナスでしかありません。授業準備は、ほどほどでいいのです。授業を作るのは教員ではないのですから!

「授業は45分間」という概念を捨てる

私は、年度初めに、「授業が10分長くなったら、休み時間を10分長くする。」ということを約束します。

小学校で学ぶ、ありとあらゆる学習内容が、全て45分間で完結することは、どう考えても不自然です。

たまには、5分前、10分前に終わる授業があっても当たり前です。余った時間は読書させても、早めに休み時間にさせてもいいじゃないですか。

逆に、45分では、到底足らない学習内容もあります。そんな学習内容を無理やり45分に詰め込めば、失敗は目に見えています。

10分授業が長くなったら、次の休み時間は10分長くすればいいんです。

「授業は45分間」という概念をなくすだけで、授業準備は、グッと楽になるはずです。

仕事は、児童がいるうちに!

算数以外にも、体育や理科など教材の準備には、とても時間がかかります。

授業準備は子どものいる時間に、子どもと一緒に行いましょう。

お手伝い係がいる学級もあるでしょうし、最近少し気になる子を誘ってみるのも手です。

「最近何かあった?」と教員から面と向かって言われると構えてしまいますが、作業をしながらだと、スムーズに話ができるようです。

また、やんちゃ坊主に手伝ってもらうのもおすすめです。授業の初めに、「今日の授業で使う道具は、○○が用意してくれたんだよ。」と紹介してあげると、「おれが準備したんだから、ちゃんと授業やれよな!」などと、自信満々に言うこともあります。

準備の時間も削れるし、児童との関係も築ける。まさに一石二鳥です。

教科書 を 教える

「教科書は、飽くまでも学習のツールであり、教科書教えるのではなく、教科書教えるのだ!」という言葉をよく聞きます。

確かに、それは理想ではありますが、教科書は日本全国の教育のスペシャリストが、練りに練って作ったものです。

教科書の問題を、教科書の通りに、教科書だけで行うので十分なのです。

特に、算数では出てくる数値にも意味があり、不用意に変えられるものではありません。

工夫をすればするほど、ゴールから遠ざかり、児童にとって逆にわかりにくくなってしまうこともあります。

背伸びをしないで、しっかりと教科書教えましょう。

 

さいごに

上に挙げた仕事術や心掛けが、全く参考にならない人もいるでしょうし、憤りを覚えた人もいるかもしれません。

しかし、授業という教員としての本来の仕事が十分にできない現実があるのです。

そして、教員のことを考えないトップの存在があるのです。

熱意のある教員が、疲弊し辞めていく。

そんな悲しいことは、絶対に避けなければなりません。このサイトが少しでも、一人でも悩んでいる教員の力になることを願っています。

 

授業は、適当くらいがちょうどいい!!

 

 

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