「数学的な味方・考え方」について、どこよりも噛み砕いて、わかりやすく解説します!
もくじ
ずばり!「数学的な見方・考え方」とは、
身の回りにある出来事や日常で起きる出来事などを、数や量、形などの視点で見つめて、出てきた問題を解決するために、誰もが納得できるように1つずつ理由を示しながら、あの問題を解決したときに似ているなぁ。この考えを使えばあの問題も解決できそうだぞ!とさらに考えを広げていくこと
です。なぜそう言えるのかを、更に詳しく下で説明します!、
「数学的な見方」とは?
平成29年度告示 算数科学習指導要領解説には、
事象を数量や図形及びそれらの関係についての概念等に着目してその特徴や本質を捉えること
とあります。
「数学的な考え方」とは?
同じく、指導要領解説によると
目的に応じて数、式、図、表、グラフ等を活用しつつ、根拠を基に筋道を立てて考え、問題解決の過程を振り返るなどして既習の知識及び技能等を関連付けながら、統合的・発展的に考えること
とあります。
そして、それらをまとめて…
「数学的な見方・考え方」とは?
事象を数量や図形及びそれらの関係などに、着目して捉え、根拠を基に筋道を立てて考え、統合的・発展的に考えること
と、学習指導要領解説に記載されています!が…
こんなに堅い言い方では、さっぱり分かりませんよね。まずは、一つ一つの語について、考えていきましょう。
「事象を数量や図形及びそれらの関係などに着目して捉え」とは?
ここでいう「事象」とは「日常生活で起こること」と考えてください。
つまり、「身の回りのことや日常生活でおこることを数や量、形などの視点で見てましょうよ!」ということです。そして、場合によっては数や量、形を関連付けて考えましょう!ということです。
例えば、「お風呂にお湯を入れて、5分で10cm溜まったから、満杯になるまではあと20分かな」とか「クローゼットに入れる箪笥を買うのにどのくらいの大きさならぴったりかな」などと、数や形として考えることです。
これらは、生活をする上で自然と考えていることだと思います。それは私たちが何年もの時間をかけて、「事象を数量や図形及びそれらの関係などに着目して捉え」る経験を重ねているからです。
「根拠を基に筋道を立てて考え」とは?
「根拠を基に」とは…
「根拠」とは、もとになる理由です。つまり、「〇〇だから!という理由を使って」ということになります。
「筋道を立てて考え」るとは…
「筋道」とは、「A=B、B=CだからA=C」 といったように、「1つずつ段階を踏んだ、スタートからゴールまでの道順」のことです。
つまり、
「根拠を基に筋道を立てて考え」るとは、
「△△なのは〇〇だからですよ!」と、みんなが納得できる理由を、スタートからゴールまで1つずつ段階を踏んで考える
ということです。
例えば、四角形の内角の和は、
三角形
「統合的」とは?
「統合」とは、いくつかあるもの(考え)を共通点を見つけて仲間にしていくことです。
また、「統合」には2つの「統合」があります。
1つ目は、問題を解くことで出てきた考えと、すでに習ったことのある考えの両方を見て、似ていることはないかなぁと同じところに注目する「統合」です。
例えば、600円を200円ずつ分けるとき、600÷200は百円玉で考えて、百円玉6枚を2枚ずつ分けて答えは3と考えますが、これは60÷20を十円玉と考えたのと似ていますね。
2つ目は、事物の特徴に注目してみて、それを守りながら、さらに「こうしてみたらどうだろう」と付け加えて考えを広げ、その広げたものを全体として捉え直す「拡張的統合」です。
例えば、600÷200を200円玉で考えると、3÷1となります。これは、わり算は割る数と割られる数を同じ数で割っても商は変わらないという学習に拡張されますし、割り算を分数と見れば約分の考えに拡張されます。
発展的とは?
「発展」とは、「次の高いレベルに移っていくこと」です。
つまり、「発展的」とは今持っている算数の考えをさらに高いレベルへと上げていくということです。
例えば、三角形の内角の和は180°、四角形の内角の和は360°、五角形の内角の和は540°ということから、n角形の内角の和は…と考えを発展させるのです。統合的と少し似ていますが、発展的の方が、より高次なところへ繋がっていると言えます。