算数を究める

算数の基礎と雑学をわかりやすく解説します。よりよい算数授業と算数好き児童を増やすサイト

1年生の算数

繰り上がりのあるたし算の教え方

投稿日:2018年9月30日 更新日:

1年生の算数の第一関門、繰り上がりのあるたし算について考えていきます。

足す数を分解するやり方(加数分解)

まず、一番多くの教科書で最初に扱われている「9+3」について考えていきます。 (令和2年度からの教科書では「9+4」が一番多くなりました!)一番簡単な繰り上がりのあるたし算は「9+2」です。

被加数が大きい理由はこちら↓

被加数は10に一番近い整数である「9」を使うことに異論はないでしょう。では、加数は「2」ではなく、なぜ「3」を使うのでしょう。

加数分解では、その名の通り加数を分解します。ここで加数を「2」にしてしまうと、

と、「9に1を足せば10になる」という考えから1と1に分けたのか、「2を半分に分け」て1と1に分けたのか、わかりにくくなってしまいます。

「9+3」であれば、「9に1を足せば10になる」という考えから1と2に分けたという思考が見えてきます。上のような書き方を「さくらんぼ計算」といいます。よりわかりやすくするために、

と、書かせる場合もあります。この「9+3」を下のように、

と、さくらんぼ計算している子がいたら注意が必要です。「10のまとまりを作る」という考えが定着していない可能性があります。(そんな児童にはブロックによるまとまりを作る操作を行わせましょう。)

という理由から「8+3」を推奨している方もいます。

足される数を分解するやり方(被加数分解)

被加数分解では被加数を分解するため、分解されない(加数)が大きい方がやりやすいです。ここでは「3+9」について考えていきます。加数分解と同じように「9に1を足して10を作りたい」ので、3を1と2に分けます。ここで注意が必要です。

児童の間違いを減らすためには、右のように1と9が近くなるようにさくらんぼ計算をした方がよいでしょう。また、10のまとまりを右側に作ることから児童のハードルが少し上がります。

上のようなブロックをみて「2と10」であることから「20」としてしまう児童がいることを頭に入れておかなくてはなりません。

加数分解と被加数分解の優劣

指導書によっては、被加数が大きい場合(「7+5」や「8+6」)に加数分解を、加数が大きい場合(「4+8」や「6+7」)に被加数分解をするとよいと書かれている場合があります。

しかし、上に挙げたように児童にとって自然な思考の流れは加数分解です。被加数分解を強制するのではなく、その子にとってわかりやすい方で行わせるべきです。

-1年生の算数
-

執筆者:


  1. […] 「12-3」を考えていきましょう。(「11-2」ではない理由は繰り上がりのあるたし算と同様です。)計算では、10のまとまりを考えることが基本中の基本です。まず、12を10にしたいので、3を2と1に分けます。12から分けた2を引いて10、さらに10から1を引いて9となります。ブロックで考えると下のようになります。 […]

  2. […] 繰り上がりのあるたし算におけるブロック操作 […]

  3. […] 繰り上がりのあるたし算の教え方 […]

関連記事

1年生:立体図形の学習 授業のポイント

小学校最初の図形の学習は、平面図形ではなく、立体図形です。 これは、立体図形の方が具体性があり、立体図形の構成要素として平面図形があるからでしょう。 それでは、小学校最初の図形領域の学習である「立体的 …

0のたし算ひき算を教えるポイント

大人にとっては簡単で、当たり前だと思われる0のたし算ひき算ですが、意外と躓きポイントは多くあります。児童の躓きを事前に知り、指導に役立ててください。 2+0=20? 2+0=20な訳ないじゃないか!と …

「数」というものをどのように教えるのか

大人にとっては、当たり前すぎて意識をしないほど、「数」というものは、日常生活のありとあらゆる場面で出てきます。 しかし、生まれてすぐに「数」というものの存在をしっている人はいません。 それでは、「数」 …

たし算を習う順番と扱う数字の理由

小学1年生におけるたし算の学習は、どのような段階を経るのか、また、教科書に出てくる問題の数値はどのように決められているのか解説します。 たし算①:繰り上がりのないたし算 一番はじめに習うたし算は繰り上 …

ひき算のパターン(9種類)

小学1年生のひき算について考えます。平成29年度告示算数科学習指導要領解説には「求残」、「求差」、「順序数を含む減法」、「求小」、「異種のものの数量を含む減法」の5種類が、減法が用いられる場合として記 …