算数を究める

算数の基礎と雑学をわかりやすく解説します。よりよい算数授業と算数好き児童を増やすサイト

1年生の算数

繰り下がりのあるひき算の教え方

投稿日:2018年10月1日 更新日:

1年生の算数における最難関、繰り下がりのあるひき算について考えていきます。

減減法

「12-3」を考えていきましょう。(「11-2」ではない理由は繰り上がりのあるたし算と同様です。)計算では、10のまとまりを考えることが基本中の基本です。まず、12を10にしたいので、3を2と1に分けます。12から分けた2を引いて10、さらに10から1を引いて9となります。ブロックで考えると下のようになります。

数字はブロックを取る順番

ブロック操作をするときに、

(これは減加法です。)

と、10のまとまりを崩さないよう注意が必要です。

2を左に書くようにしましょう。

「12-2」、「10-1」と減法を2回行うので「減減法」といいます。減減法はひく数(減数)を分解します。式で考えると

12-3=12-(2+1)=12-2-1 と減法を2回使うことがわかります。

減加法

同様に「12-3」について考えていきます。10のまとまりを使うことは減減法と変わりません。12を10と2に分けます。10から3を引いて7、7に2を足して9となります。ブロックで考えると、

となります。さくらんぼ計算をするときは、

10を右に書くこと、2と7を足すことに注意が必要です。(「7-2」としてしまう子が多くいます。)「10-3」、「2+7」と減法と加法を行うので「減加法」といいます。減加法は引かれる数(被減数)を分解します。式で考えると、

12-3=(10+2)-3=10+2-3=10-3+2 と減法と加法を使うことがわかります。

「12-9」を「9はあと1で10」だから「その1と残った2で3」という考えも減加法です。

邪道な減減法

減減法にはもう一つのやり方があります。「12-3」の一の位を考えると「2-3」これは計算できないから「3-2」をして1、残った10から1を引いて9となります。式で考えると、

12-3=(10+2)-3=10-3+2=10-(3-2) と減法を2回使う減減法になります。

しかし、このやり方は絶対に許してはいけません!このやり方で減法を解くクセをつけてしまうと、

というように2年生の算数で「3-5」はできないから「5-3」をする子になってしまいます。(6年生になってもこの間違いをする子は非常に多い)

算数では、様々な解法を考えさせることはとても大切なことです。しかし、そのやり方は本当にいいやり方といえるのか、系統性も意識して指導にあたらなくてはなりません。

減減法と減加法の優劣

減減法はひき算だから引くという児童の自然な思考な流れを考えると比較的安易です。減加法は、ひき算なのに足すという考えからハードルは高くなります。そのため、減法の導入では減減法を扱います。

では、児童にとってやりやすい減減法だけでなく、減加法も教えるのはどうしてでしょうか。「43-5」を式で考えてみましょう。

減減法:43-5=43-(3+2)=43-3-2=40-2

減加法:43-5=(30+13)-5=30+(13-5)=30+8

減加法の考えは、繰り下がりのあるひき算の筆算の考えの基礎となるのです。ここでは、43を(40+3)ではなく(30+13)と分解することがポイントとなります。

繰り下がりのあるひき算には、減減法と減加法の2つのやり方があり、1年生の段階では「やりやすい方でやればいいよ。」と言ってしまいがちです。しかし、2年生以降の減法を視野に入れ、減加法の考えも確実に身につけさせる必要があります。

-1年生の算数
-,

執筆者:


  1. […] 次のページでは、繰り下がりのあるひき算について解説します。 たし算の種類については↓↓↓ […]

  2. […] 繰り下がりのあるひき算の教え方 […]

関連記事

繰り上がりのあるたし算の教え方

1年生の算数の第一関門、繰り上がりのあるたし算について考えていきます。 足す数を分解するやり方(加数分解) まず、一番多くの教科書で最初に扱われている「9+3」について考えていきます。 (令和2年度か …

no image

1年生:任意単位による長さの比較 授業のポイント

1年生の長さの授業も、直接比較→間接比較と学習が進み、いよいよ最後の任意単位を使った長さの比較に入ります。 (定規を使う普遍単位の比較は2年生) 算数を究める1年生:長さの直接比較 授業のポイントht …

いくつといくつ ~数の分解~

たし算ひき算の前段階といえる「いくつといくつ(数の分解)」の授業のポイントについて解説していきます。 学習指導要領解説算数編にも「数の合成や分解」という言葉で出てきますが、授業の流れ的には、①分解②合 …

分離量と連続量の意味と違いを知っていますか?

量は、分離量と連続量に分けられます。この2つを意識して授業を行わないとと児童の混乱を招きます。 量とは… そもそも量とは何でしょうか。量と数(すう)の違いは? 簡単に言うと、量は数(すう)に単位がつい …

数字の種類(3種類)メリット&デメリット

世界には様々な表記法と記数法があります。様々な表記法と記数法を知ることで現在、主に使われているアラビア数字のよさが際立ちます。 数と数字の違い そもそも数と数字は何が違うのでしょうか。簡単にいうと数を …