授業(特に指導案)では「発問」という言葉が頻出します。日常生活では「発問」という言葉はあまり使わず馴染みがなく、「質問」という言葉の方がよく聞くのではないでしょうか。ここでは「質問」と「発問」の違いについて説明します。また、いくつかの解釈がありますので、複数記載したいと思います。
もくじ
国語辞書での違い
質問とは
「わからないことや疑わしい点について問いただすこと」
「問い質す(といただす)」は「意味がはっきりとわからない点を尋ねて明らかにすること」です。
「問い【正す】」は「間違いを直すこと」
「問い【質す】」は「不明な点を明らかにすること」 だそうです。
発問とは
「問いを発すること」「問いを出すこと」「質問をすること」
あります。
国語辞典では、「質問」と「発問」は同義として扱われているようです。
教育用語としての違い
「学校教育辞典 教育出版」によると以下のように示されています。
質問とは
「教材に関する過去の経験(既知・既習)の再生・再認を目的とし、おおむね一問一答でなされるものである」
発問とは
「未知・未習の提示によって、思考活動を活発にさせ、集団的に意見や見解の対立・分化を想定するものである」
つまり、「2+3を計算できますか?」や「昨日はどんな勉強をしたんだっけ?」といった問いは「質問」であり、
「どうやったら解けそうかな?」や「考えに似ているところはないかな?」といった問いは「発問」であると言えるでしょう。
上記したように「質問」も「発問」も「問い」に含まれると考えられます。
おまけ
教員の中には「問う側が答えを知っている場合は「発問」で、答えを知らない場合は「質問」である。」と考えている人もいるようです。
「授業には「質問」は不要である」とは思わないし、「これは「質問」、次は「発問」と意識して用いること」も不要であると考えます。
授業の中では「質問」を行うことで児童が自己を振り返り、「発問」を行うことで新たな算数を創っていくことが大切です。
教師からの「問い」、同級生からの「問い」、自分自身の「問い」が授業の源だと言えるでしょう。