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1年生の算数

1年生:長さの直接比較 授業のポイント

投稿日:2020年4月21日 更新日:

長さは身長や距離など非常に身近にある量です。量の学習は長さも面積も体積(容積)も「直接比較」、「間接比較」、「任意単位による比較」、「普遍単位による比較4つの段階を経ます。

このページでは、算数の学習で最初に学ぶ、長さの直接比較の授業についてポイントを解説します。

4つのポイント

長さの直接比較をする際に、必ず抑えるべきポイントが4つあります。

  • 対象物をピンとのばすこと
  • 同じ方向を向かせること
  • 一方の端と端とをそろえ、もう一方の端の位置で長さが比べられること
  • 長さの大小は「長い」、「短い」と表現すること

です。これらのポイントは、今後学習する「広さ比べ」や「かさ比べ」でも共通して、大事なポイントになります。

それでは、具体的な授業の流れの中で、上のポイントをどのように抑えていくのかを考えていきましょう。

導入:お隣さんと鉛筆の長さを比べよう

操作活動では

  • 児童の身近にあるもの
  • 操作しやすい大きさのもの

を使いましょう。ここでは、「長さ」について考えるので、細いものである必要があります。

筆箱の中から鉛筆をだしてもらい、となりの子の鉛筆とどちらが長いかを比べさせましょう。

「長さを比べる」と聞いた時点で、定規を取り出す子もいるかもしれません。「今日は定規を使わないで長さを比べるよ。」ということを抑えておきましょう。

活動の後、「どうだった?」と尋ねると、

「僕の方が長かった。」や「私の方が小さかった。」、「僕の方が大きかった。」と結果を伝えてくれると思います。

このときに、長さを比べたときは、「大きい・小さい」ではなく、「長い・短い」と言うことを指導しましょう。

展開:先生の鉛筆と長さ勝負

隣の人との長さ比べが終わり、「長い・短い」の用語の確認をしたら、

「先生の鉛筆は、絶対にみんなの鉛筆より長いよ!」と勝負を挑みましょう。

「ぼくのと比べて!!」とたくさんの児童が参戦してくると思います。

誰のものでもよいので、鉛筆を一本預かり、下のように提示してみましょう。

「ほら、先生の方が長いでしょ!」と何回も繰り返すうちに、鋭い子が「なんかおかしいぞ。」と勘繰り始めて、「えんぴつを全部見せて」と言い始めるでしょう。

鉛筆の全体を見せるとこのようになっています。

「先生、ずるい!」と非難轟轟が目に見えますね。では、どうしてずるいのでしょうか。きっと児童は、

「ちゃんと下をそろえないとダメだよ!」と指摘をしてくるはずです。すかさずポイントを板書しましょう。

・長さをくらべるときは、片方をそろえて、もう片方の位置で決めます。

次に、言われたとおりに片方をそろえてあげましょう。

「はい、そろえたよ。やっぱり先生の方が長い!」

またしても、ずるいずるいの非難轟轟でしょうね。

「ななめじゃだめ!」、「同じ方向に立てる!」などのことばが出てきたら、ポイントを抑えます。

・長さをくらべるときは、片方をそろえて同じ方向に向かせます。

一度、ポイントを確認して、正しく測りましょう。

 

次に、用意していた別の鉛筆を出して、最後の揺さぶりをかけます。

「みんなが言った2つのポイントを守ったけど…。左の鉛筆の方が長いということでいい?」

実はこの鉛筆にはしかけがあって…

ぐにゃぐにゃ曲がる鉛筆なんですね!アマゾンでも売ってます。

最後のポイント、

・長さを比べるものは、ピンと伸ばさなくてはいけません。

を確認しましょう。

グニャグニャ鉛筆がない場合には、身近にあるものとして、縄跳びの長さを比べることもいいでしょう。

 

時間が余ったら、ポイントを振り返りながら、筆箱の中の鉛筆を、背の順に並べる活動もいいですね。

 

 

「4つのポイントを覚えましょう!」と授業を展開するのではなく、

誤った測定方法を提示し、児童につっこみを入れさせながらポイントを整理していくと、より実感の伴った理解になるでしょう。

紙のたてと横の長さを比べる

次に、紙のたてと横の長さを比べる活動を行います。(どこが紙のたてで、どこが横なのかの確認は必ず行いましょう)

A4やB5の紙をそのまま渡してしまうと、たての方が長いことは明らかです。

手間かもしれませんが、どちらの方が長いのか見た目ではわからないように切った紙を渡しましょう。

 

次の学習は、長さの間接比較です。

 

 

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