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2年生の算数

2年生:立体図形の学習 授業のポイント

投稿日:2020年4月23日 更新日:

1年生の立体図形の学習では、「はこのようなかたち」や「筒のような形」などのように、形を全体的に見て、「転がる形」や「積める形」といったように機能面に着目をしました。

 

2年生では、図形を算数的に捉える学習になっていきます。

次元を減らしていく

この世界は三次元空間です。簡単に言えば「立体」ですね。

立体的な物は児童が操作しやすく、身近にあるものです。ですから、1年生では、立体的な物の操作を行いました。

2年生では、最初に、

三次元(立体)から二次元(平面)へ

と学習を移していきます。

箱を作ろう

面に着目させるために、多くの教科書では「箱を作る活動」が扱われます。

1人1個箱を用意し、「目の前の箱と全く同じ形の箱を作ろう」と投げかけます。面の形を全て長方形(正方形)にする必要があるため、このときの箱は、直方体か立方体でなくてはなりません。

しかし、これだけの指示では、包装紙のように、箱に紙を巻き始める子が出てきます。

「ぴったり同じ大きさ」、「シワにならないように」、または、教科書によっては「面」という用語を最初に抑えて、「面と面を合体させて箱を作ろう」と声をかけています。

共通点を探す

面を写し取ると、全ての面が長方形か正方形であることがわかります。考えられる面の形は3パターン

  • 全て正方形(立方体)
  • 全て長方形:同じ形の長方形が2つずつ3組(直方体)
  • 正方形2つと同じ形の長方形4つ(正方形の面がある直方体)

です。正方形と直方体を「箱の形」と一括にして面を写し取るので、児童によっては他の子と違うことに不安感を覚える子もいます。

列ごとに3グループを作り、上記の3パターンごとに分けてもいいですね。

また、コアラのマーチの箱のような(六角柱)ものはここでは扱いません。

 

2つ目の共通点は、「面が6つある」ということです。児童によっては、面を写し取るときに、どの面を写し取ったのかが分からなくなってしまい、面が5つしかなかったり、7つもあったりします。

そういった間違いを減らすためにも、写し取った箱の面にはチェックをいれるようにしましょう。

箱に面を貼ろう

できた面を使って、いよいよ箱を作っていくわけですが、正方形ならまだしも、直方体は面を上手に張り合わせないと箱の形にはなりません。

そこで、写し取った面を元の箱に貼っていくことで箱を作っていきます。

「貼る」といっても、のりでくっつけるのではなく、面と面つなぐ辺をセロテープでとめていきます。

これで、元の箱にぴったりの箱ができあがります。最後に箱から箱を取り出して、蓋の面もセロテープでとめれば完成です。

 

教科書によっては、展開図のように、面と面をテープで貼ってから組み立てる活動を示しているところもあります。

しかし、直方体の展開図は4年生の学習です。わざわざここで取り上げなくてもいいでしょう。

 

二次元から一次元へ

さて、セロテープを貼った場所は何箇所でしょうか。

そのセロテープを貼った場所が「辺」ですね。いよいよ一次元へ移ってきました。

辺の長さの関係も3パターンあります。

  • 辺の長さが全て(12本)等しい(立方体)
  • 長さが等しい辺が4本ずつが3組(直方体)
  • 長さが等しい辺が8本と4本(正方形の面がある直方体)

どの場合であっても、「箱の形」には12本の辺があります。

一次元からゼロ次元へ

最後に、粘土とひごを使って箱の形を作ります。もはや箱ではないですね…。この授業の教材の用意がとてつもなく大変です。

「どんな長さのひごが何本ずついるのか」を考えさせるために、長いひごを用意したこともありましたが、児童にはひごが切れません。

また、ストローでやったこともありましたが、粘土がストローに詰まります。

試行錯誤の結果、1番扱いやすい私のオススメはパスタ(乾麺)です。食べ物ですので扱うことに否定的な見方をする人もいるかもしれませんが、細長く切りやすく丈夫です。

また、ここで初めて、立体を「長さ」という新しい視点で捉えることになります。

児童にとってハードルが高そうであれば、先程の箱の辺にひご(パスタ)を合わせて切らせても良いでしょう。

大事なのは、同じ長さのひご(パスタ)が何本あるかが理解できればOKです。

では、そのひご(パスタ)をつなぐための粘土玉はいくつ必要でしょうか。

この粘土玉が「頂点」ですね。

頂点の数は立方体でも直方体でも8つです。

 

ここまでが2年生の立体図形の授業の流れになります。

立体(三次元)→面(二次元)→辺(一次元)→頂点(ゼロ次元)と移りましたね。

立体は、面と面から作られる(1年生)ことから始まり、

面と面の間に辺があり、辺が集まったところに頂点がある

ということにも気づかせたいですね。

おまけ(助数詞について)

どの教科書を見ても、辺の数は「12本」ではなく、「12」といっています。

面は「6つ」、頂点は「8つ」といっているのに辺だけは助数詞がつきません。

「12つ」とは言わないからかもしれませんが、

つい「12本」と言ってしまいそうですよね。教科書に合わせると「12」と言ったほうがいいのかもしれません。(理由は研究中です)

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