もくじ
「求残」で教える
6社あるうちの5社が、「のこり」を考える求残でした。求残はブロック操作がしやすく簡単なものになります。「3-3」を例に考えてみましょう。
りんごが3こあります。3こ食べると のこりは何こですか?
という問題でしたら、
となりますね。とても自然なブロック操作です。
また、「3-0」でしたら、ブロックをそのままにしますので、答えは3のままです。
「求差」で教える
1社は「ちがい」を考える求差でした。求差では、ブロックを2列に並べるので、ブロック操作ができない(不自然である)と考えたほうがいいでしょう。
どうしてブロック操作が適さないのか、「求差」で教えるよさは何か説明します。
「求残」と同様に、「3-3」で考えてみましょう。
玉入れをしました。1回目は3こ、2回目は3こでした。1回目と2回目の違いは何こでしょう。
という問題でしたら、ブロックを2列に並べてペアを作り、
ペアにならないものはない、つまり、差はないので、答えは0になります。
また、「3-0」を考えます。
玉入れをしました。1回目は3こ、2回目は0こでした。1回目と2回目の違いは何こでしょう。
という問題でしたら、ブロック操作は、
と、上のように3このブロックの下に空白があることになり、ペアを作るのです。とても不自然ですよね。
この1社は繰り上がりのあるたし算・繰り下がりのないひき算の学習のあとに0の計算が出てきます。
そのため、ブロック操作をしないことを前提に、問題場面が作られているのです。
もちろん、この1社の指導書には「ブロック操作で…」とは書かれていません。しかし、ブロックを使ってしまう教員はいるかもしれません。
「求差」で教えるメリット
では、なぜ1社は「求差」を扱っているのでしょうか。
1回目の玉入れが0こ、2回目の玉入れが2この場合、「0−2」 にしてしまう子もいますよね。また、
1回目の玉入れが0こ、2回目の玉入れも0この場合、「0-0」 の場面が出てきます。
これらは「のこり」を考える求残では決して出てきません。
りんごが0個あって、そこから2個取る。
りんごが0個あって、そこから0個取る。
というのは不自然ですよね。
このように、「求残」、「求差」それぞれの特徴を把握していないと誤った指導をしてしまうことにもなりかねません。
あなたなら、求残、求差どちらで授業をしますか?
0の加法減法の指導のポイントやブロック操作のポイントは下のページをご覧ください。