かけ算九九を習う順番について考えていきたいと思います。習う順にもちゃんと理由がありますので、小学校で習う前に九九を覚えさせたい場合には注意が必要です。
もくじ
① 5の段
最初は5の段です。1年生の時から5のまとまりを意識させた授業をしてきていたり、片手の指の数が5本であったりすることから、5の段がスタートです!
5,10,15,20…
と答えだけを言わせることも大切です。また、答えを見て1の位が0か5であることにも気づかせます。5年生の分数の約分で瞬時に「5で割れる」と判断できるように素地を作っておきます。
② 2の段
2つ目は、2の段です。児童が並ぶ時に2列が多いことや「に、し、ろ、や、と」と数をかぞえた経験もあることから2の段を2番目に習います。
③ 3の段
3番目は3の段です。3は2の次だから、という簡単な理由です。油断してはならないのが「3×7」です。
「さんしち にじゅういち」を
「さんしち にじゅうはち」
と言い間違える子はクラスの2割はいます。九九の答えの一の位が1になるのはここが初めてです。近くの子が唱える3の段をなんとなく聞いてなんとなく発声してる子はだいたい躓きます。一本指を出して「いち」と言わせるなど、言葉以外のアプローチもあります。
④ 4の段
4番目は4の段です。ここで初めて素数ではない被乗数の登場です。4の段は2の段の2倍であることに気づかせたいです。(倍という言葉は未習)
4の段では「4×7」が難しいです。
「ししち」と言いにくいことや「ししち にじゅういち」と言ってしまうことがあります。
⑤ 6の段
5番目は6の段です。ここまで学習が進むとある程度かけ算に慣れて、変わりばえのしない授業に飽きてくる子もいます。
6の段以降は、今まで習った九九を使って、九九を作っていく学習になります。6の段は(3の段)+(3の段)、(2の段)+(4の段)で作ることができます。
⑥ 7の段
6番目は、九九の難関7の段です。6の段と同じように(2の段)+(5の段)、(3の段)+(4の段)で作っていきます。
「ななの段」なのに「しちいちが」と「しち」と読むことに抵抗を覚える子もいます。
7の段で難しいのが「7×4」と「7×6」です。
「しちし にじゅういち」
「しちろく しじゅうはち」
と間違って唱える子はクラスの5割と言っても過言ではないでしょう。
⑦ 8の段
7番目は九九の最難関8の段です。他の段と同じように作っていきます。8の段は「8×3」、「8×6」、「8×7」が難しいです。
「はちさん にじゅいち」
「はちろく しじゅうに」
「はちしち ごじゅうに」
と「はち」が言いにくいことで答えの語尾が曖昧になることが多くあります。7の段と8の段は何度も唱えさせるとともに書いて正確に覚えさせることが大切です。
⑧ 9の段
8番目は7,8の段に比べて簡単な9の段です。「く」と言いやすいことや答えの数字を足すと9になる(18は1+8=9,27は2+7=9)ことから躓く子はあまりいません。
手のひらを顔に向けて、左手の親指から順に折っていくと9の段の答えになるという小ネタもあります。
⑨ 1の段
最後は1の段です。1の段を最後に習うことを意外だと思う人もいるでしょう。
大人にとっては簡単そうに思える1の段ですが児童にとってはハードルが高いです。
まず、かけ算は日本では「まとまり×いくつ分」という捉え方をします。児童は1を「まとまり」と思うことに抵抗があります。
また、かけ算はたし算のお友達と捉えている子もいて、答えは式の数より多くなると思っている子もいます。そのため、「1の段はかける数が答えになる」ということに気づかせる必要があります。
九九以上のかけ算
インドでは「13×13」まで、暗唱をさせると言いますが、今現在我々が不自由に思っていないのであれば、そこまで子どもに求める必要はないかと思います。
ただし、「11×11」、「12×12」、「13×13」、「14×14」、「15×15」、「25×25」は覚えていると中学校数学でかなり楽になると思います。