2年生の普遍単位の学習では、児童が待ちに待っていた定規を使う学習が始まります。
新年度が始まると、すぐに竹の定規(竹尺)の購入のお知らせがあることでしょう。
そして、多くの保護者が、
「竹尺って買わなきゃいけないの?他の定規なら持ってるんだけど…。」
と考えます。2年生の担任なら一度は聞かれたことがあるのではないでしょうか。
竹尺を買った方がいいのか、買わなくてもいいのか…。ズバリ!竹尺は買ってください!
竹尺を使う理由が3つあります。それは、
- 素材の伸縮性
- 数直線への助走
- メモリの位置
です。
それでは、それぞれの理由について説明をしていきます。
もくじ
竹尺を使う理由①:素材の伸縮性
物体は、温度によって伸び縮みします。
多くの定規はプラスチックで作られますが、プラスチックは、竹よりも10倍伸び縮みするのです。
定規自体の長さが変わってしまっては正しい測定ができるわけありません。
そこで、伸び縮みしにくい竹の定規の方がよいのです。
しかし、定規が伸び縮みするのと同様に、測定物も伸び縮みします。以下のサイトに興味深い考察が載っていました。
竹尺を使う理由②:数直線への助走
一般的な定規と竹尺の違い、それは、
数値が書かれていない
ということです。
数値が書かれていない代わりに、5cmずつに、印が書かれていますね。
児童が竹尺を使って長さを測定するとき、端から1、2、3…と1cmずつメモリを数えていては大変です。
この印をもとに、「5から2cm」、「10から1cm」というように考えます。
これは、数直線の学習の素地となるものです。
「竹尺には数値が書いてないから面倒くさい」ではなく、他の学習に活かされる力を育んでいるのです。
竹尺を使う理由③:メモリの位置
竹尺は、一番端からメモリがスタートしています。
例えば、鉛筆の長さを測る際に、鉛筆の端と竹尺の端を揃えれば、長さを測ることができます。
「端を揃える」というのは、1年生の時に「長さの直接比較」の学習で行っていますので、自然な思考です。
一方、多くの定規は、下のように定規の端と0の位置にズレがあります。
このような定規では、測定物の端を0に合わせたり、
測定後に、定規の端から0までの長さを引いたり、
する必要があるのです。
「そのくらい…。」と思われるかもしれませんが、2年生にとってはとても大きなハードルに成り得るのです。
竹尺を買う理由がわかっていただけましたでしょうか。
もちろん、上記3つの理由をクリアする竹尺ではない定規も存在するでしょう。そういった定規は積極的に使用して構わないと考えます。
逆に、上記3つの竹尺を使う理由を知らずに、
「おうちにある定規なら何でもOKです!」
といった連絡をする担任だったら、注意が必要かもしれません。