小数(1より小さい数)の考えについて、基本の考えや誤解、小数の種類、子どものつまずきやすいポイントを説明します。
もくじ
1より小さい数の表記法
ローマ数字による1より小さい数の表し方
ローマ数字には0を表す記号はありません。そのため、1より小さい数を表す場合には分数の考えを用いました。例えば
5=V、10=X とするように 1/2=S と決まっています。
漢数字による1より小さい数の表し方
以下のページで解説しています。↓
小数とは、
純小数: アラビア数字を用いて十進位取り記数法により、0 と 1 の間の数を 0.89のように整数で表したもの
帯小数:純小数の1の位が0でなく、1.89のように整数であるもの
これら純小数と帯小数をまとめて小数といいます。
小数の種類
有限小数:終わりのある小数のことです。その数を全て書き表すことができます。例えば、 0.23 や 3.45 などです。
無限小数:無限小数は、その数を全て書き表すことができない数です。この無限小数は循環小数と非循環小数の2種類に分かれます。
循環小数:同じ数が繰り返し無限にでてくる小数のことです。1÷3=0.3333333・・・
や 6÷11=0.45454545・・・
と無限に続きますね。また、11÷6=1.833333・・・ と途中から同じ数が繰り返し無限に出てくることもあります。循環小数の特徴として、必ず分数で表すことができます。
非循環小数:同じ数の羅列でなく、無限に数が続く小数のことです。例えば
√2=1.4142135…
と不規則に数が並びます。非循環小数は分数に表すことができません。また、例えば任意の位の数を見つけることは非常に難解です。
小数と数直線との不仲な関係
小数は多くの場合、数直線で考えます。詳しくはこちら↓
しかし、小数と数直線には、越え難い壁があるのです。算数が苦手な子は、この壁のせいで、知らずに躓いています。
数は左に進むほど大きい?右に進むほど大きい?
数は左と右、どちらに進むほど大きくなるのでしょうか。
「左に進むほど大きくなる」と考える人は、位取り記数法を思い浮かべています。位は左に進むほど大きくなっていきますね。

一方、「右に進むほど大きくなる」と考える人は数直線を思い浮かべています。数直線は右に進むほど大きくなっていますね。

ここで小数を考えてみましょう。小数は「0.001」のように右へ進むほど数は小さくなります。しかし、数直線は右へ進むほど大きくります。

0.1は0より小さい?
「0.1は0より小さい」と考える人はいないと思います。しかし、子どもの中には「0.1は0より小さい」と勘違いをしている子もいます。なぜ、そのような勘違いが起きてしまうのでしょうか。
数直線では、右へ進むほど数は大きくなります。そして、0より左はマイナス(負の数)となります。

一方、位取り記数法は下のように表記しますね。

数直線は0を基準に考えます。位取り記数法は小数点を基準に考えます。この基準を混同してしまうと、「0.1は0より小さい」という勘違いにつながるのです。

このような誤解のないように、数直線に小数を書いたり、生活の中で使われている小数に触れさせたりすることが大切です。
0.9+0.1=0.10?
小数の足し算も算数が苦手な児童にとってはとても難解です。小数の仕組みをしっかり教え込むことが必要です。動画にまとめましたのでご覧ください。↓
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