第4学年の算数の研究授業でもよく扱われることのある「L字型の図形の面積の求め方」について、その解法を紹介します。
もくじ
問題
下の直線で囲まれた図形の面積を求めましょう。
図形の中に方眼があるのかないのかは教科書によって異なります。図形の中もしくは外に、方眼がないと大変なことになります。詳しくはこちらで解説をしています。絶対に解けない面積の問題
解法①1マスずつ数える
一番単純かつ一番確実な方法です。しかし、数が大きくなると大変(事実上不可能)であることを抑える必要があります。
解法②長方形に分けて足す
授業を行う際に、最もオーソドックスな解法です。この解法を扱った時には以下の2つの点を抑える必要があります。
①面積も加法が使える
②「分ければいい」という訳ではない
「分ける」ということを強調しすぎるとやたらめったら細かく切る児童が出てきます。何のために分けるのかを意識させる必要があります。
解法③全体から余計なところをとる
全体を長方形とみて、右上の余計な長方形を引く考えです。この解法を扱う際には、面積も減法がつかえる ということを抑える必要があります。
上の解法②③(①)はどんなL字型でも使えます。以下に説明するものは特殊な場合の解法です。
解法④2つを組み合わせ半分を考える
解法⑤長方形に変形する
解法⑥台形に変形する
小学4年生では台形の面積の求め方は学習していません。また、解法①~⑥までの解法すべてを授業で扱うと明らかに時間が足りません。
どこまで扱うのか、どのように扱うのかは一考してください。
この授業の結末は、L字型の面積は長方形(や正方形)の面積の求め方をもとにすれば求めることができるとなります。
さらに、「図の形によってどの解法が適しているのか」も考えさせられるとよりよいです。例えば
上のような図では、解法②よりも解法③の方が適しているといえます。児童によって、やりやすいかどうかの差異はありますが、どの解法がよりよいかは思考させる必要があります。