三角形の面積の公式
「底辺✕高さ÷2」
を導く考え方について説明します。
学習指導要領には、面積の公式の導き方として、以下の三点が挙げられています。
① 図形の一部を移動して,計算による求積が可能な図形に等積変形する考え
② 既習の計算による求積が可能な図形の半分の面積であるとみる考え
③ 既習の計算による求積が可能な図形に分割する考え
一つのやり方で公式として認めるのではなく、いくつかのやり方を考えて、
「やっぱり、三角形の面積の公式は、底辺✕高さ÷2だ!」と帰納的に導くことが求められています。
では、具体的にどのように公式を導くのかを考えていきましょう。
ここでは、平行四辺形の公式を習った後に、三角形の公式について考える流れで示してあります。
もくじ
①図形の一部を移動して,計算による求積が可能な図形に等積変形する考え
等積変形とは、面積が変わらないように図形の形を変えることです。この考えでは、面積を求めることができる形に変えることで面積を求めます。
・中点を結ぶ線で切り、移動し平行四辺形にする
・中点を結ぶ線と頂点から下ろした垂線で切り、移動し長方形にする
・中点から下ろした垂線で切り、移動し長方形にする
・平行な直線をもとに、高さを一定のまま直角三角形にする
(直角三角形は長方形の半分であることを抑えたうえで)
②既習の計算による求積が可能な図形の半分の面積であるとみる考え
・直角三角形は長方形の半分であることを使う
・同じ形の三角形を2個つけて平行四辺形にする
③既習の計算による求積が可能な図形に分割する考え
・2つの直角三角形にわける
(直角三角形は長方形の半分であることを抑えたうえで)
④その他の導き方
指導要領には、公式の導き方について上記の3つの考えが載っていますが、「図形を全て囲む長方形を考え、そこから不要な部分を抜く」という考えもあります。
・長方形から2つの直角三角形を抜く
これら上記の導き方について、全てを考えさせる必要はありませんが、偏った考えのみで導くこともよくありません。
いくつかのやり方を考えて、
「やっぱり、三角形の面積の公式は、底辺✕高さ÷2だ!」と帰納的に導くことが求められています。
他の図形についても、同じように公式が導き出せるのか、関連付けながら考えることが必要です。