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『速さ』はどうして『道のり÷時間』なのか

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小学校5年生で学習する『速さ』ですが、速さは児童の身近にありながらも、直接目で見ることができないので、イメージがしにくい学習でもあります。

児童にとって、身近な速さは距離が統一されている場面です。しかし、速さを数値化する際には時間を統一するのです。それはなぜでしょう。

速さを比べる場面

私達が、速さを比べる場面は2種類あります。

距離を統一

児童にとって、もっとも身近な速さは「50mを何秒で走れるのか」でしょう。また、オリンピックの陸上競技を見ても、決まった距離を一斉に走り、先にゴールした人の勝ち。または、タイムの短い人の勝ちという考え方でしょう。

これは距離を統一しているので、『速さ=時間÷道のり』という考え方で数値化できます。

時間を統一

一方、休み時間の一斉マラソン(5分間で校庭を何周できるか)は、時間を統一しているので、

『速さ=道のり÷時間』という考え方です。

この2つの違いを具体的な数値で考えてみましょう。

速さを比べよう

2人の男の子が走った結果、下のようになりました。どちらが速いのかを考えます。

考え方は主に、下の4通りです。

この4つの考えを扱いながらも、『速さ=道のり÷時間』という公式に収束するように『④時間を1秒に統一』に向かって進むことになります。現在、全世界で『速さは時間を統一して比較する』となっていますが、それはどうしてでしょうか。

速さを 時間を統一して考える理由は、加法性を守るため!

例えば、1秒で1m進む動く歩道の上で、1秒で2mの速さで歩くとしましょう。これは、

秒速1m+秒速2m の計算なので、秒速3mで進むことになります。自然ですね。

では、全く同じ状況を、距離を統一した速さで考えてみましょう。

つまり、1秒で1m進む動く歩道の上で、0.5秒で1mの速さで歩くということです。

1秒+0.5秒=1.5秒だから、1.5秒で1m進む?遅くなってしまいましたね。

このように、距離を統一すると加法性が失われてしまうのです。

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