四角形の内角の和の学習は、研究授業でも扱われることの多い授業です。しかし、教科書通りのやり方には大きな落とし穴があります。詳しくは下のページを参考にしてください。

このページでは、四角形の内角の和の授業を行う際のポイントについて紹介します。
もくじ
導入
前時で、三角形の内角の和について学んでいるので、その授業末に、児童から「次は、四角形の4つの角の大きさの和を求めたい。」という声があがっているとスムーズですね。
問題
導入からの流れで、
「四角形の4つの角の大きさ(内角)の和はいくつになるでしょう」
でいいです。
見通し
三角形の内角の和が180度であったことを確認するだけでなく、三角形について、演繹的に考えたことを抑える必要があります。
四角形についても、帰納的でなく、演繹的に考えることを確認しましょう。(帰納的・演繹的という言葉は使いません)
さらに、既習の四角形である長方形と正方形について、内角の和が360度であることを確認し、他の四角形も360度になるのかを考えることを抑えましょう。
めあて
今回の授業では、四角形の内角の和を演繹的に考えることがキモとなります。
そのため、「どんな四角形でも、4つの角の大きさ(内角)の和が360度になるのでしょうか。」や
「どんな四角形でも、4つの角の大きさ(内角)の和が360度になるのか調べよう。」
というめあてになります。
自力解決&練り上げ
児童から出されるであろう解法について紹介します。
①対角線を1本引いて、三角形2つ分だと考えるやり方
180度×2=360度 になります。一番シンプルなやり方です。

②対角線を2本引いて、三角形4つ分を考え、中央の余計な角度(360度)をとるやり方
180度×4-360度=360度 になります。

③四角形の中にある点から頂点へ引いた直線で、三角形4つ分を考え、中央の余計な角度をとるやり方

②のやり方と似ていますが、直線の引き方が異なります。詳しくは下で説明します。
④四角形の辺上にある点から頂点へ引いた直線で、三角形3つ分を考え、中央の余計な角度をとるやり方
180度×3-180度=360度 になります。

このとき引く180度は、直線の180度です。
⑤四角形の外にある点から頂点へ引いた直線で、三角形3つ分を考え、中央の余計な角度をとるやり方
180度×3-180度=360度

このとき引く180度は、三角形の内角の和の180度です。
共通点
上で紹介したやり方は、すべて
「ある点から頂点へ直線を引いて三角形に分けている」
という共通点があります。やり方の似ている②と③をみると、


もととなる点が異なることがわかりますね。
まとめ
以上の展開を踏まえて、
「すべての四角形は、2つの三角形に分けることができる」ことを確認し、
「四角形の内角の和は、三角形の内角の和2つ分と考えて、360度です。」
というまとめになります。
発展(一般化)
適用問題を解いても構いませんが、一般化について考えることができます。
⑤のやり方は、そのまま五角形の内角の和に応用できますね。
つまり、「多角形は、三角形に分けることで、内角の和を求めることができる」という点に気づかせてもおもしろいですね。
多角形の内角の和の授業についてはこちら
(作成奮闘中)